2022年上半期、面白かった小説6冊!

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本日は、私わたなべゆみが、
上半期に読んだ本30冊の中から、

特に面白かった!と
印象に残っている小説をご紹介します♪

目次

護られなかった者たちへ

一冊目は、中山七里さんによる、
【生活保護】をテーマに描いた社会派ミステリー
「護られなかった者たちへ」です!


事件は、福祉保険事務所で働く
三雲という男性が、

手足を縛られ餓死したところから
始まります。

「餓死」というあまりにむごい
殺され方をされているため、

よっぽど恨まれていたのだろうと
思いきや、

主人公の刑事(笘篠)が
事情聴取をしたところ、

「三雲さんほど優しくて
完璧な人は居ない」

「恨まれるはずがない」

と家族同僚、みんな口を揃えて
三雲を絶賛したのです。

それならば、一体なぜ、
彼は殺されたのでしょうか。

その犯人の背景には、
ひどく悲しい動機が隠されていたのでした。

著:中山 七里
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小説としての読み応えもあり、
どんでんがえしもあり…!!

面白すぎて一気に読み終えてしまいました。

とにかく、事件の真相に近づくとき、
胸が苦しくてたまりませんでした…

なんならもはや、
途中から泣きながら読んでしました(笑)

日本にも飢えに苦しむ人がいる。

生活保護を受けるべきなのに
受けられない人や、

人様に迷惑をかけられないと
受けない人もいる。

色々と考えさせられる一冊でした。

ちなみに映画化もされているようです。

出演:佐藤健, 出演:阿部寛, 出演:清原果耶, 出演:林遣都, 出演:永山瑛太, 出演:緒形直人, 出演:吉岡秀隆, 出演:倍賞美津子, Writer:林民夫, Writer:瀬々敬久, 監督:瀬々敬久
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あなたには帰る家がある

こちらは山本文緒さんの作品で、
【不倫】がテーマです。

不倫の作品がお好きな方なら、
是非読んでみてほしいです(笑)

展開も早く、読む手が止まりません。

最初は点々と散らばっていた
登場人物たちがどんどん絡み合っていき、

最後はもうめちゃくちゃになります(笑)

テーマは不倫ですが、その中には
家事育児のノイローゼについての話や、

女性が社会に働くことについて、

夫が理解してくれないことに
苦しむ話があったり、と、

とにかくいろんな背景のある
人物が登場するので、全く飽きません。

不倫だけでなく、働き方、生き方…

訴えかけたいことは他にあるのです。

この本の特に面白いと感じた点は、

文章の3人称、1人称の切り替えが
非常に秀逸なところ。

視点が男女共にころころと切り替わる為、

「この人こんなこと考えてたんか」

「うーん、たしかに男も大変よな…」

「これは惚れてしまうな…(笑)」

等々、全員の心境に同情してしまうのが
とても面白かったです(笑)

著:山本 文緒
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ちなみに、同じ作家さんの「恋愛中毒」も
面白かったのでぜひ!

著:山本 文緒
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こちらはスターの愛人になる話なのですが、
終盤はぞくっとしてしまいます…(笑)

流浪の月

こちらは今年、話題の本なので
ご存知の方も多いかと思います。

いわゆる”ロリコン”として
周知されていた大学生の家に、

とある少女が一緒に住み始める…
という話です。


10歳の少女・更紗 (さらさ)は、

蒸発した両親から引き取られた
伯母の家で苦しい日々を過ごす。

家に帰りたくないと
公園で独りぼっちでいたところ、

大学生の文(ふみ)に声をかけられ、
自宅へ招かれる。

そうして更紗は初めて
安息の場所を手に入れ、

二人は2か月もの間一緒に暮らしたが、
ついに文が少女誘拐犯として逮捕される…


その後、事件は大々的に報道され、
紗は周囲からいつでも

「可哀想だね」

「辛かったね」

と同情される日々を送ります。

しかし実際は、文との生活は
幸せだったことしか覚えておらず、

そんなことない!

文と一緒にいたい!と言えば、

事件のせいで精神的に
おかしくなっていると批判される。

事件の加害者や被害者は、
まるで人権などないかのように、

いつでも過去がついて回り、
そしてマスコミが追い掛け回すのです。


辛い展開が続くため、
なかなか読むのが苦しい本ですが、

とても印象に残る素晴らしい一冊でした。

私たちは知りもしないことを、
いつも、知った気でいます。

それなのに、どうして
人を非難することが出来るのでしょうか。

私自身もよくそのことを感じます。

どうしてこの人は私の事、
全然知らないくせに知った気になって、

嫌いになれるのかしら。ってね(笑)

著:凪良 ゆう
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放蕩記

こちらは村山由佳さんによる自伝的小説で、
【毒親】がテーマとなっております。

母親と娘という関係は、
非常に複雑ですよね。

「嫌いだからもう会わない」
と縁をさっぱり切ることが出来たら、

どれだけ楽なのでしょうか。

親子の縁を切る、
と言葉にすることは簡単でも

行動に移すことはそれほど
たやすいことではありません。

でも周囲にはどうして出来ないのか、

理解してもらえず、そんな
どうしようもない苦しみに耐える人が、

この世にはどれほどいるのでしょうか。


「母を愛したいのに愛せない」

それがこの小説で描かれる、
主人公、夏帆の生きざまです。

だからこそ、夏帆は、

母が一番嫌うことを、

こっそりとやりつづけました。

それが夏帆の
”放蕩記(酒や女遊びにふけること)”で、

まさに母への復讐だったのですが、

小説の後半では、母親のまさか…
という事実が浮き彫りになります。

まさか。

それじゃあ、困る。

復習にならないじゃない…


この一冊はかなり奥深く、

さっと読んだだけでは本質を
捉えるのがやや難しいかもしれません。

また、母への復讐が全面に描かれている
小説ではなく、

テーマは間違いなく親子ではあるものの、
あくまでも”自伝”です。

本自体もかなり分厚く
読み切るにはエネルギーを要しますが、

個人的にはかなり心に残った一冊だったので
ご紹介しました。

ちなみに、少し話は逸れますが、

こちらの物語には主人公が小説家になる
その過程も書かれているのですが、

「物書きになれる人は
自分の作品を客観視できる人」

というくだりはクリエイターとして
非常に興味深く読ませていただきました。

それは才能というよりも、
訓練で身につけられることでもなく、
能に近い部分がある。とのこと、

非常に、非常に、同感です。

集英社
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楽園のカンヴァス

こちらは原田マハさんによる
アートミステリーです。

といっても、
全くアートに興味がない方でも、

純粋にミステリーとしての
完成度が高すぎるため、

めちゃくちゃ楽しめますので、
ぜひ読んでみて欲しいと思います。

上半期読んだ本の中だと、
一番手が止まらなかった作品です(笑)


話はある日、主人公が
ルソーの「夢」という作品に
非常に酷似した絵について、

真贋判定(本物か偽物かを判断すること)を
任されるところから始まります。

その作品について真実が
ひとつひとつ暴かれるうち、

その絵がもつ衝撃の秘密が
浮き彫りになるのでした…


ヒミツが公になったときからラストまで、

もー-続きが気になって気になって…

結局半日ほど潰して
一気読みしてしまいました(笑)

ルソーのもう一つの「夢」がある、
というのはフィクションですが、

ルソーやピカソの人生については
ノンフィクションも織り交ぜてあるので、

単純に教養としても
非常に楽しく学ぶことが出来ます。

私はこれまでアートには
全く興味がなかったのですが、

この一冊のおかげで、印象派のアートに
興味を持つキッカケとなりました。

人生を豊かにしてくれた一冊です。感謝!

著:原田 マハ
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また、同時に
マハさんにもドはまりした結果、

上半期だけで下記7冊↓

  • さいはての彼女
  • 異邦人
  • ゴッホのあしあと
  • モネのあしあと
  • ジヴェルニーの食卓
  • 本日はお日柄もよく

これらも一気読みしてしまいました(笑)

▼この7冊の中なら
一番好きなのは「さいはての彼女」

サクっと読めて、幸せな気持ちになれます。

著:原田 マハ
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夏の終わり

ラストはなかなか渋いですが、文学を。

「夏の終わり」という、こちらは
瀬戸内寂聴さんの、自伝的小説です。

著:瀬戸内寂聴
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瀬戸内寂聴さんといえば、

”優しいほがらかな、出家された方”
という印象しかなかったのですが、

読書家の父が彼女の書いた純文学は、
稀に見る天才
だというので(笑)、

そりゃあ読んでおかなきゃ!
ということで、

彼女の初期の作品である、
「花芯」という本をまず読んでみました。

著:瀬戸内寂聴
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こちらの本自体は瀬戸内さんの
短編集になるのですが、

この中の「花芯」という物語が、
かなり私に響きまして…(笑)

その世界に引き込まれて、

現実に戻ってこれなくなるほどの
パワーがあるのです。

正直、あまりに引きずり込まれるので、
読んでいて恐ろしくなりました。

父が天才と唸る理由がよく分かりました。

文学の素晴らしさはやはり
物語よりもその言葉の深さ

一度読んだだけでは理解しきれず、

何度もじっくりと読んで
言葉の意味を分析し、

花芯の世界を堪能し尽くしました(笑)

そうしてどっぷり彼女にハマったのち、
この物語が実は、

自身の体験を織り込んでいる

というのを知って、驚きました。

何故ならこの話の主人公は

夫を捨て、子供を捨て、
不倫に走り男に溺れ続けている

というなかなか
凄まじい生きざまだったからです。

そこから瀬戸内さんの人生に興味を持ち、

自伝的小説として発表された
「夏の終わり」を手に取ったわけです。

こちらは花芯よりも後に書かれただけあって、

彼女の物書きとしての才能が数倍、
際立っていました。

非人道的な物語であるにも関わらず
文章がとてもみずみずしく…

美しい表現に何度も胸を打たれて打たれて、
おかしくなりそうでした(笑)

この世界をぜひ堪能して頂きたい。
と思います。

ということで、
上半期に面白かった本をご紹介しました!

最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました!

ほなほなっ!

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