私は、今まで服を買うのが
どちらかといえば、苦手でした。
昔から、可愛い洋服を見つけても、
その場で即決できない質(たち)で。
私は服を買う前、
必ず試着をするのですが、
その一番の目的は、
着心地を確かめるためではありません。
その場で写真を撮るためです。
そうして撮った写真を
すぐ姉にLINEで送り付け、
「これ、可愛い?」
と聞くのです(笑)
そして姉から、
「うん、可愛い!」
と返事を貰わない限り、
服を買えませんでした。
何故なら、私は昔から
自分で選んだものに一切
自信が持てなかったからです…!
この洋服、可愛いけど…
もし私が着ていたら、
「あの人、あんなの着て…」
と笑われるんじゃないか(笑)
「あの人、あんな物買うの?」
と変に思われるんじゃないか。
ちょっと奇抜すぎる?
もしくは地味すぎる…??
こんな感じで、買い物一つとっても、
いろんな人の意見がぐるぐるぐるぐる…
私を飲み込むので、
とにかく何を買えば正解なのか、
私はいつも分からなかったのです。
だから、
「自分の可愛い基準」で洋服を
買う友人や有名人は、
私からするとものすごく
キラキラして見えました。
「カッコいいなぁ」
「どうやったらそんなにハッキリと
自分の好きなものを分かったり、
恥ずかし気もなく買えるの?」
自己肯定感が高いのかな。
とにかく私はそうはなれない。
そう思ってました。
少し話は遠回りして、先日。
知り合いとのLINEのやり取りで、
少し嫌だと感じた出来事がありました。
「こんなん嫌やわ~」
とプンスコ私が文句を言っていると、
それを聞いた夫から、
「もうそれ本人に、言っちゃえば?」
と提案が飛んできました。
それを聞いた瞬間、
私はいつものクセなのか…
気づけば、
「えぇ?!そんなん、言っていいの?」
と尋ねていました。
「そらええやろ」
という夫の返事を受けた私は、
夫がそう言うなら、そうすべきだ!
とでも思ったのか、
次にそのやり方を質問し始めました。
「じゃあ、言うならLINEで
なんて言ったらいいの?」
夫は、しらんがな!(笑)と言いつつも、
「こうでも書いておけば?」
と、最終的にはなんでも
手取り足取り教えてくれます。
「え、なに?そう書いたらいいの?」
「こう書いたけど、ちょっと読んで」
まるで読書感想文を書く小学生と
その親のようなやりとりです(笑)
「変なところ、無い?」
こうして夫に内容をチェックをしてもらうと、
「分かった、送るよ?」と、
私は知人に抗議LINEを送ったのでした。
そうして半日後、返ってきた返事は…
予想通りと言えば
予想通りの答えでした。
「ねぇ、こういう風に返ってきたよ?」
知人からの返事を見せると、
夫は興味無さそうに、
「あー。これはもう、
これ以上議論ならんわ。」
「終わりにしとき」
と一蹴したのでした。
こうして次は、
”言い返すべきではない”
というアドバイスを得た私は、
再び質問攻め。
「なんで議論にならないの?」
相手はもう絶対行動を変える気ないって、
分かったから。
「なるほどね…
じゃあ、返事はなんて書いたらいい?」
知らん。
納得してないけど分かった。
とか言っておけば?
「え!?そんな風に書いて送るの?!
そんな冷たい言い方して大丈夫?」
しょうがないやん。
だって納得してないやろ?
「え?しょうがないから?
納得してない??
うーんまぁ、そうかも…」
こんな感じで私は、最終的に、
「納得できかねますが、分かりました」
と、”自分では決して選ばない言葉”を、
相手に対して送りつけたのでした。
そうしてスッキリ終わった!
…とは、なりませんでした。
結局、その日は一日中、
そのことばかり考えていました。
「傷つけたかも…」
「相手は怒っているかも…」
そう考えると、今度は
胸がズキズキしてきました。
それからやがて、
「言ったことが
間違いだったんじゃないか…」
「こんなに悩むんだったら、
言わなきゃよかった…」
という”言ったことに対する後悔”
へと変わりはじめ、
最終的には
「そもそもだいきくんがあの時、
言えば?なんて、
言わなきゃ良かったのに…!」と、
夫を責めはじめたのでした。
”そうやって、人のせいにすれば
楽になるもんね。”
と思われたかもしれません。
ですが、案外これが違うもの。
大好きな夫を憎む自分は、
それはそれで嫌気がさすのです(笑)
だから必死に、
そんな思考を止めようとする。
「いやいや、待て待て!
だいきくんは悪くないで!
選んだのは私や!」
「言ったら?って言われて、
それを採用したのは私やで!」
「……でも!!」
でも、あの時、
夫があんなことを提案しなければ、
こんな思いはせずに済んだのに…!!
「むぐぐぐぐ」
そうして私は結局、
言い返したことを後悔し、また、
中途半端に「もう言い返すな」と
強制終了されたことにも消化不良が起こり、
さらに最終的には、
発端は夫のせい!と決めつけ怒り出し…
でも…
夫を責めている自分がとても嫌い。
という最悪の状況に
陥ってしまったのでした。
そんな翌日、本当にタイミング良く、
カウンセリングの予約が入っていました。
「もうこれは助けてもらうしかない…」
ということで、この話を
カウンセラーのYさんに聞いてもらうと、
ひとつ質問が。
『ゆみは昔、何か自分で選択して、
それで後悔したことってある?』
どうして今、この話でこんな質問が…?
と思いつつも、
その時はパっと答えが思いつかなかったので、
私は少し違うアンサーをしました。
「具体的には分かりませんが…。
そういえば私、洋服選びは昔から、
本当に苦手でした」
洋服選び?とYさん。
「必ず姉や夫に可愛いか、変じゃないか…
確認して貰わないと、買えないんです」
それを聞いて、
なるほどね~と大きく頷いたYさん。
『ゆみは何か決断するとき、
必ず誰かに相談するってステップが入るんだ』
そのYさんの言葉を聞いたその瞬間、
私ははじめて、自分でも気づかなかった
自分の癖に気がつきました。
”人に必ず相談するステップが入る”
…だなんて…?!
確かに、思い返せば、
私はこれまでどんな些細なことも
全部全部、人の意見を聞いていました。
今回の件でも、
私は「文句を言うか言わないか」を
人の意見に委(ゆだ)ねたのです。
しかもこの癖は、
すでに”無意識レベルの習慣”に
なっていることに気づいて、
ちょっぴり、ぞっとしました。
「怖いんです…私。自分で選ぶのが」
そうだろうね~とYさん。
『自分で全責任を、
負わなきゃいけないからね』
という話をしていたとき、
ふと、あることを思い出しました。
「あ…でも、私そういえば…。
この前初めて誰の意見も聞かずに、
ピンクのカーディガンを買いました。」
へぇ!それは思い切ったね~と笑うYさん、
『それ何がキッカケで買えたの?』
と深堀してくれます。
「うーん。ピンクなんて、
いつもは絶対、選ばないですけど…」
と言って、言葉が詰まりました。
”私、なんで買えたんだろう??”
その疑問に対する答えを自分の中で探すうち、
ぽつぽつと言葉が勝手に出てきました。
「そういえば最近…。
私、自分の”やりたい”を叶えてあげるって
本当に大切って気づいて…」
「それで…あの時の私は直感で、
欲しいって思った。
だから私、ただ、自分のしたいを
叶えてあげようと思って。
それで、買えました。」
3週間前、私がそのピンクの
カーディガンをお店で見た時、
私の胸は大きく高鳴りました。
【欲しい!】
ほんと、ただそれだけを
シンプルに感じました。
”心の私”がそのカーディガンを
欲しがったのです。
でもこの時、
同時に存在する”頭の私”は、
「やめとけやめとけ!」と、
ブレーキをかけはじめました(笑)
「いやいや、値段見てみ?
カーディガンに2万円っておかしいやろ」
「それにピンク?
そんな奇抜な色着てたら笑われるで?」
「もっと3000円くらいで探しぃや。
カーディガンなんてすぐダメなるて」
「ほんで色もグレーか白にしとき!
何でも合う色じゃないと後悔するで!」
等々…(笑)
あまりに自分自信の頭に、
現実的に諭(さと)されたので、
思わず私は
「そ、そうだよね…」
と、納得した気でいました。
でも、
いろんなお店に行っては結局、
「ピンク…」
「ふわふわ…」
「腰くらいの丈感のやつ…」
と、そのカーディガンと似た物を
探している自分に気づいたのです(笑)
そして、
「もう、この時間が無駄や!!」
と思った私は、
「ワイは、自分のワクワクを
叶えてあげるんやぁ!」
という思いで、私にはめずらしく、
一人で衝動的に買ったのでした。
(といっても1週間くらいは悩んでたけど(笑))
この体験を聞いたYさんは、
『それはゆみにとって、
かなり貴重な体験したね~』
とニコニコ。
『だって、
いつも人に聞いてた相談を、
自分の心に聞けたってわけでしょ?』
それを聞いて思わず私はうわぁと驚きました。
た、たしかに…。
それにさぁ、考えてみてよ、とYさん。
『ピンクのカーディガンを買うときに、
またいつもみたいに夫に聞いて、
買ったとするじゃん?』
『それでピンクがやっぱり合わせにくい、
変だって思ったとしたらさ…
夫を責める未来が見えない?』
ここで私、「み、見える!」と大笑い(笑)
『じゃあここで話戻るけど。
その言い返すか言い返さないかって話、
本当のゆみはその時、
どう思ってそうだった?』
LINEで戸惑う内容を受け取ったあの時の私…
私は、自分に問いかけました。
”本当はどうしたかった?”
そうしたら、ふっと、
「…言っても言わなくても、
どっちでも良いって…」
と、気づけばこう、言ってました。
「その件に関してはどうでもいいって、
思ってた…そんな気がします。」
これが、私のアンサーでした。
頷(うなず)くYさん。
『じゃあ、どうでも良いって
自分で思ってることに気がついて、
今どういう気持ちになった?』
「…そうですね。
私は私の”したい”が一番大切って
思っているので…。
自分がどうでもいいと思うのなら、
やっぱりどうでも良い事なんだって
今、納得できました」
自分のこの言葉がようやく耳に届いたとき、
私は自分自身で驚きました。
私、この件について本当は、
どうでも良かったんだ…って。
ただ「やだなー」って一言、
呟けばそれで終わりだった。
なのに、言い返してしまった。
私は何に苦しんでいたのか…
カウンセリングを通してハッキリと、
自覚することが出来ました。
あの時、私が抱えていた
心のモヤモヤ。
その正体は、
自分に本当の気持ちを聴かず、
人の判断に身を任せ、
自分の本音と違う選択をしたことでした。
その上、自分の言葉じゃない、
他人の言葉で大切な人にLINEを
してしまったこと。
これが、不幸の始まりだったのです。
私、いつだってこれをくり返してた。
いつも自分の意見を聴いてこなかった。
ランチにいっても、
自分の気持ちよりまず先に、
「みんな、何食べる?」
と意見を求めたり。
友達と喧嘩したら、誰かに
「なんて言ったらいい?」
「どうしたら良い?」
と聞いてみたり。
私は一体、これまで…
どれだけ自分の気持ちを
ないがしろにしてたんだろう。
きっと本当はいつだって、
「こうしたい」があったはずなのに…
「ごめんね」と自分を
抱きしめたい気持ちになりました。
もう、聞かない。
もう、人に何も聞かない。
私は私の心を優先します。
そう強く、決意した瞬間でした。
そもそも、
意見を求められた人も今回みたいに
当の本人が後悔したり失敗したりすると
後に憎まれたりするし(笑)、
私も人の意見を優先したときは結局、
本音と違う選択をしてしまうから
なんだかモヤが残ることも多くて…
人に意見を鵜呑(うの)みにするのって、
誰もハッピーにならないんだ
ということに今、
気づけて本当に良かったです。
冒頭で、私は、
買い物一つとっても、
いろんな人の意見がぐるぐるぐるぐる…
私を飲み込むので、
とにかく何を買えば正解なのか、
私はいつも分からなかったのです。
と書きましたが、
これも今となっては何故だか分かります。
それは、
買い物の基準が、他人だから。
分かるはずも無い、
他人の価値観を軸にしているから。
これはもう、不幸を自分で
作り出しているようなものです。
幸せのコツ。
それは自分に問うこと。
「どれ欲しい?」
「何食べたい?」
「どう過ごしたい?」
「誰と一緒にいたい?」
「今、どんな気持ちでいたい?」
私たちは本当はなんだって、
自分で、決められる。
自分の心のままに行動すれば、
自分の心は嬉しいで満たされる。
それに、自分の選択だったら、
大切な誰かを責めることも無い。
結局、抗議したLINEの件は、
そのあと私のすべての本音を
きちんと、伝えました。
「大好きな二人を、
冷たい言葉で傷つけてしまったことが、
私はとても悲しかった。
ごめんなさい。」
そのあと、当の本人からハグしてもらって
めちゃくちゃ泣きました(笑)
本当に、思い切って伝えて良かった…!
人に意見を聞いたり本を読んだりして、
選択肢を広げるのは
とても良いことだと思います。
でも、だからといって、
その通りにしなければならないことは、
一つもない。
それはあなたの選択肢が広がっただけ。
だから最後には必ず、
自分に質問してね。
「私、本当は、どうしたい?」
これが幸せになるための、質問なのです。
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