流産を宣告された日のこと|第一子が9週目での早期流産

本日、流産が確定しました。

先ほど産婦人科へ行き、
流産手術の日程を決めてまいりました。


そんな本日の間に、
今しか書けないこの素直な気持ちと
飾らない体験談を、

ここに残しておこうと思います。

実は、公表しておりませんでしたが、
このたびひっそりと妊娠しておりまして、

前回の生理から数えると昨日は
9週と2日目でした。

そんな昨日、
2週間ぶりに産婦人科へ行き、

心拍を確認してもらったのですが、

残念ながら赤ちゃんの心拍は動いておらず、

流産の可能性が
高いとの診断を受けました。

妊娠の喜びから一気に突き落とされ、

絶対に泣きたくないと思っていたのに、

「流産の可能性」

という言葉に、ひどくショックを受け、

産婦人科ではそれ以降、
涙が溢れて止まりませんでした。

さっきまでは、待合にいる
お腹の大きな妊婦さんたちをみて、

わたしも何か月か後にはあぁなるのだろうと
のんきに構えていたのに、

急に自分には叶えられなくなったその姿を
これ以上見ることが急に耐えがたく、

どうしてこの子が。

どうしてこの子が。

と頭のなかで何度も
答えのない質問を繰り返しては、

子供のようにしゃくりあげ、

ただ泣いて泣いて、
泣き続けておりました。

私は、妊娠をしたときから、

「あまりこの赤ちゃんが
無事に生まれてくることに、
期待はしすぎないようにしよう」

と心がけていたつもりでした。

というのも、やはり
こういう発信活動をしていると、

残念ながら流産を…という
レターやコメントをこれまで
頂戴することが多かったため、

”お腹の赤ちゃんがすんなり
生まれてくるということは、
決して当たり前ではない”

ということを、
常日頃から感じていたためです。

しかし、今日から1週間ほど前に、

今年の春、夫とお花見に行ったとき、

”来年の春はここに、私たちの赤ちゃんと
3人で来ているような気がした”

という、私のインスピレーションをふと、
思い出したのです。

そうしたら、

”きっとその私の直感は正しいんだ。”

”赤ちゃんの生命力を、
母親である私が信じなくて、
どうするの。”

という想いが、ふつふつと湧いてきて、
これまであまり考えないようにしてきた

”無事に出産をする”

という事にしっかりと目を向け始め、

そして、初めて妊娠に対して、
不安だけでなく喜びを感じ始めていた、

そんな変化ある1週間だったのです。

不安よりも、希望を。

不安よりも、この子を信じたい。

その矢先の、流産宣告でした。

身体中の細胞が悲しみに支配され、
何をすることも出来ません。

産婦人科から家に帰る間も、
家に帰ってご飯を食べたあとも、
ぼうっと窓からお庭を見ているときも、

いつ何時も
涙があふれて止まりませんでした。

その時のことは、
たった昨日のことだというのに、

正直一体何を考えて泣いていたのか、
もうハッキリと思い出せません。

もしかしたら何も
考えていなかったのかもしれないし、

もうこないはずの未来を、
想像しては泣いていたのかもしれません。

とにかく、家に帰ってからは
もう何もする気が起きなくて、

夫に、

「どこでもいいから出かけたい。
家で何もしていない時間が、
今は一番つらい」

と訴え、ずっと行きたいと言っていた
ケーキ屋さんへ、一緒に行くことになりました。

とはいえ、本当はケーキなんて
ちっとも食べたいわけではありません。

けれども、どこでもいいから、
どこかで何かをしておきたかったのです。

そうして家から出たは良いものの、

道中の車でも、
外の景色を見ては、

この子はもうこの世界を
見ることは無いんだ。

と思うとまた涙があふれ、

見たくないと願うほど
目につく子供たちの存在に
ひどく胸を締め付けられました。

そうして腫れぼったく
ふくれあがった目のまま
ケーキ屋さんに到着し、

池が一望できるテラス席へと座りました。

ショーケースに入ったケーキは
どれも美味しそうには見えず、

適当に一番人気と二番人気を選び
すさんだ気持ちでおりましたが、

その日とても暑かったからか

誰もいないテラス席では
ほんのり湿っぽく、

でもほんのりと冷たい、

池の上をころがってきた風が
わたしの身体を通り過ぎ、

初めて少しだけ、
心地良さを感じることが出来ました。

土の匂いを含んだ初夏の風と
光がいっぱい散りばめられた美しい池。

甘いケーキ。

そして隣には大好きな夫。

これ以上ない、幸福な時間。

でも、そこにわたしのお腹の子は、

登場しない。

今も、そして、これからも。

永遠に。





永遠に。





くだらない、まったく違う話を
夫としている間も、

やはりどうしても、
涙が止まりませんでした。

「なんでこんな話をしてるときに、
泣いてるの…」

と困った顔をした夫に聞かれても、
わたし自身にも、分からないのです。

そんな中、しばらく無意味に
ポロポロと涙を流しながら、

夫と話していると、ふと、

そういえば最近、トイレに目標
貼ってなかったね。

という話になりました。

実は我が家ではいつも
トイレに今後の仕事や人生の目標を
貼っているのですが、

ここ何か月か忙しいことを理由に
考えて作り直すことを
おろそかにしていたのです。

ちょうど時間が出来たことだし、
いま、決めちゃおうか。

ということで、
仕事の目標について決めることに。

株はどうする?不動産はどうする?

YouTubeは?ラジオ配信は?

それから、

今、したいことはなに?

それはいつ実現するの?  

等々、プライベートの
小さな目標についても、

じっくりと話し合いました。

そうして1時間くらい、
いろんな目標について話し合い、

ついにまとまったとき、ふと、

自分がずいぶん前から、
泣き止んでいたこと、そして、

心がとても軽くなってることに
気づきました。

夫と今、

一緒に決めた未来の目標たちが、

力強く、

わたしに訴えかけるのです。

泣いている暇なんて無いと。

未来に授かる
新しい命の為に今、

やらなければならないことが
沢山ある。

やっておきたいことが
沢山ある。

未来の子のために
もっと仕事を頑張ったり、

ひもじい思いをさせないように
もっと貯金を貯めておいたり、

授かったときにもう後悔することなんて
ひとつもない!と言えるように、

やりたいことは今のうちに
全部やっておいたり、

それに、素敵な家庭に生まれて
良かったって思ってもらえるように、

もっともっと、
夫と愛を深めておいたり。

まだ見ぬ、あなたの為に、

今日から、きっともっと、

頑張って生きなければ。

そう思ったのです。

そう思うと、気づけば
私は前を向いていました。

もう未来だけを、見つめていました。


今のお腹の子が教えてくれたこと。

それは、えぐれるほどの心の痛み。

でもそれはただ悲しいだけのこと、
では無かった。

これまでの私は、誰かから
流産をしたという体験談を聞いても、

痛みを想像することしかできなかった。

でも今は以前よりももっと、
心から寄り添うことが出来る。

だって私は、その痛みを知っているから。

そして、短い間だったけど、
母親になる経験をくれた。

わたしにとってこれらは…

この子を授かり、そしてさようならを
しなければならなかったこの経験は、

もっと人に寄り添うことができる
優しい人間になれるための糧となり、

そして、

たくさんのものを愛する力となりました。

今回の悲しみがあったからこそ、

私はこれまでよりももっと、

夫を愛し、

自分の環境を愛し、

まだ見ぬ未来の子をも愛し、

そうして愛にあふれたわたしは、

今を、未来を、

全力で生きる勇気で満ち溢れています。

おおきな愛を、
教えてくれてありがとう。

手術までのあと2日間、
もう少しだけ、一緒にいよう。

そしたら、お別れだけど、
忘れないよ。ぜったいに。

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