局所麻酔による流産体験記。麻酔が効かず激痛でした。

今後流産手術を受ける方のために、

妊娠9週目で流産手術を受けた
わたしの体験記録を残そうと思います。

赤裸々に綴っておりますので、
どうぞお役立てください。

目次

流産手術を受けるまで

流産手術の予約

「流産の可能性が高いです」
と告げられた、翌日のこと。

朝から病院へ向かい、
再度確認してもらったものの、

やはり赤ちゃんの心拍は動いておらず、

「流産確定ですね」
と、先生に告げられました。

とはいえ、

もう前日に分かり切っていたこと、
そして、

気持ちは前を向いていたことを含め、
この日はもう泣くことはありませんでした。

「はい、分かりました」

と静かに受け止め、その後夫と一緒に
流産手術に関する説明を受けました。

前日に、ネットで色々と調べた結果によると、

全身麻酔で手術をされている方が多い印象
でしたが、

わたしの通っている産婦人科では
局所麻酔で行うとのことでした。

全身麻酔を人生でしたことがなく、
なんとなく怖かったので、

局所麻酔と聞いて私はホッとしました。

が、この局所麻酔という選択が、
あれほど苦しいことだとは、

この時はまだ知らなかったのです…。

説明が終わったあと、

手術当日はそのまま入院してゆっくり休んでから
翌日家に帰ることを勧められましたが、

手術でナーバスになっているうえ、
夫とそんな日に離れるなんて無理…

と思い、私は提案をお断りして、
日帰りにすることにしました。

そんな感じでたったの5分ほど。

あっさりと手術の予約を終え、
待つこと2日間…。

自然に流産することも無く、
早々に当日を迎えてしまいました。

当日、待合室にて

当日も、”悲しい、つらい”という
マイナスな気持ちはありませんでした。

それよりも、

「次の子を迎えるための準備をしに行くんだ」

と、前向きでした。

ですから、

その日も朝から妊婦さんと同じ待合室で
名前を呼ばれるのを待っていましたが、

最初は平気だったんです。

前述した通り、

私の気持ちは前を向いている!
とハッキリ思っていたので…

ですがやっぱり、
実はそうでは無かったのかもしれません。

今思うと…

というか、これを書いている今も、

思ったよりやっぱりまだ心に負った傷は
回復していなかったようで。

自分ではもうすっかり平気だと思っていたのに、

実はこの2日間、

なぜか涙が出たり、
うまく眠れなかったりと、
身体が言うことをききませんでした。

それにも関わらず、
「私は平気だ」と思い込んでいたのです。

だからなのか…

待合室で妊婦さんや新生児が目に入ると、

徐々に”今まで感じたことのない怒り”が
こみ上げたことに、

自分でも驚いてしまいました。

とにかく、胸がざわざわして、
むかむかするのです。

そのとき、

「ずるい」だとか「悲しい」だとか、

ハッキリした言葉が、
頭の中に思い浮かんだわけではありません。

しかし、なぜだか、ただただ
”怒り”を感じていたのでした。

あれはいったい何だったのか
その時は不思議でたまりませんでしたが、

今思えば、それは本当は”怒り”ではなく、
気づかないふりをしていた”悲しさ”だったのでしょう。

ラミセル挿入後、便秘で大変なことに…

さて、それから30分ほどして名前を呼ばれ、

まずは手術の前に「ラミセル」という子宮口を
広げる棒を入れるとのことで、

処置を受けたのですが、これが、
予想よりも痛くて驚いてしまいました…

「子宮引っ張りますよ」

と言う声と共にぐぅっと子宮をひっぱられ
ラミセルを入れられたのですが、

痛みとしては、

いつもの生理痛が急にやってきた!!

みたいな感じで…

それもすごくつらかったのですが、

実はこの時不運にも、
便秘のお腹が刺激されてしまい、

ラミセルの痛みというよりかは、

なんとお腹そのものが
痛くなってしまったのです…

「では手術まで個室で
ゆっくりしてくださいね~」

とのことで、個室へ移動する間も、
どんどん強くなるお腹の痛み…

とはいえ、今はなにせラミセルを入れた直後。

”トイレに行っても良いのか…?”

頭の中で何度も自問自答を繰り返します(笑)

しかし我慢するにはお腹があまりに痛かったため、
堪りかねて助産師さんに

「と、トイレへ行っても良いですか…」

と聞くと、

「もちろん大丈夫!でもいきまないで、
自然にだして、自然に(笑)」

と言われ、助言通りになんとか
自然に出そうとするのですが、

便秘のときのうんちって
かなりいきまないと出ないんですよね…(笑)

お腹が痛い。痛すぎる…!!

でも、これは出せば治るのは分かっている。

でもいきめない。

この時の痛みは、ひどくピーピーのお腹を
抱えている時とほぼ同じ。

出し切れば治るのに、でも出せない…!!

こんな状況が20分ほど続き、

その間にラミセルがどんどん膨らむからか
ついに子宮の痛みも加わりはじめ、

お腹の痛みはみるみるひどくなり、

そのうちあまりの痛みに
全身から冷や汗が吹き出し、

手足が震え、何度か空吐きもし、

しまいには血圧が下がって、
目の前がチカチカとしてきました。

トイレでこのまま、パンツを下したまま、

倒れるのではないかと、
ひやひやしていました。

30分ほどもがき続けていたのですが、ついに

「もうこれ以上は無理…!!

ラミセル、出てしまったのなら
また入れなおしてもらうしか…!!!」

ともう錯乱状態でいきみ、
ついにトイレを済ませたのでした…

トイレを済ませたら、

みるみる血の気が戻りはじめ、

冷や汗も完全に乾き、
お腹の痛みもさっぱりなくなりました。

ただ、この時は

「あぁ、こんなに痛みが無いなんて…
ラミセル絶対流れたわ…」

と不安でたまらず、

その旨を助産師さんに伝えると、

「うーん、血はいっぱい出ました?」

と聞かれたので、

血は出ていませんというと、

「じゃあ多分流れてないですよ。大丈夫!」

とのことでした。

どうやらラミセルが流れてしまうと、
血が大量に出るそうなのです。

そうか、なら大丈夫…と一安心。

安心したら急に眠たくなって、

手術までの時間、
個室でうとうとして過ごしました。

そのあいだは、
全く腹痛はありませんでした。

普段便秘がちの皆さんへ。
ラミセルやラミナリアといった子宮を広げる棒を入れる日は、前日にクスリを飲んででも便秘解消しておくことを強くオススメします…!

流産手術開始

ここからかなり痛々しい描写があります。
苦手な方はお控えください。

個室でごろごろ読書していると、

なんの前触れもなく助産師さんがやってきて、

「それでは下に行きましょう!」

と、急に手術が始まりました。

いつもの診察台へ座り、
痛み止めの座薬を入れられ、

消毒液を塗りたくられてついに手術が始まりました。

今回の流産手術は局所麻酔で行われるので、

わたしの意識は完全にハッキリある状態での
手術となります。

手術直前に、助産師さんが隣へやってきてくれ、

わたしの手を握り、

「隣にいるからね、大丈夫だからね」

とお声がけをしてくれました。

すごく、頼もしかったです。

しかし、まだこの時はあんな痛みが伴うとは知らず、

「最初の局所麻酔の注射が怖いです」
なんてへらへら言っていました。

「じゃあ注射を4本打ちますよ~」

という先生の声と共に、
膣内に注射が打たれていきます。

ただこれは、本当にちょっと
チクっとしただけで拍子抜けでした。

「座薬が効いてるからね、大丈夫大丈夫」
と助産師さんが励ましてくれます。

注射が全部終わり、
いよいよ器具が子宮内に入ってきました。

ここで、

急に重めの生理痛のような鈍痛を感じ始め、

(あれ?まずいな…

この痛みはまずい…)

とじんわり冷や汗をかき始めた時、

掃除機のような音が鳴り、

痛みがよりきつくなったと思った途端、

ボン!!!

と激しい音と共に、

これまで感じたことのない

激痛が全身にほとばしりました。

感覚としては、
全くそのままの表現をしますが、

身体の柔らかい内臓部分に”がっちり”と
癒着した物体を、素手でむしり取られた時。

想像しうる音や痛み。

そのすべてが、そっくりそのまま
わたしを襲ったのです。

その瞬間、大きな声を荒げ、

肺は上から押しつぶされたように
空気を吸うことが出来なくなり、

全身の細胞が硬直し、

足先から頭のてっぺんまで力を入れたまま
動くことが出来なくなりました。

全身が煮えたぎるように熱く、

うめき声をあげるなか、

再度

ボン!!

と言う音と激痛がまたも私を襲い、
そのあまりの痛みに意識が遠のくのを感じました。

「終わりました」

という声が遠くで聞こえたときには、
ひどい吐き気を催し、意識も朦朧としていました。

「吐く?吐く?」

と助産師さんがビニールを
口元へ持ってきてくれましたが、

朝から断食させられていたので
何も出ず空吐きをくり返しました。

椅子が回転して元の位置に戻ったとき、

かろうじて椅子の下が
血まみれになっているのが見えました。

意識もはっきりせず、
痛みもあるので立つことがままならず、

その後は助産師さん3人に担がれて
車いすに乗り、個室へ運ばれました。

それからベッドに転がされ、

助産師さんはまた来ます。と言うと、
すぐにどこかへ行ってしまいました。

一人ぼっちになった個室では、

「いたい…いたい…いたい…いたい…」

と声を出さずにはいられず、

シーツをめちゃくちゃに握りしめ、
浅い呼吸を繰り返し、

ただただ強烈な痛みに耐えておりました。

その間、私の頭の中は、

「騙された!騙された!」

という言葉で埋め尽くされていました。

自分でも意味が分からないと思います。

だって誰も、私をダマしてなんて、
いないのですから。

それでも、これほど激痛を伴うなんて
聞いていませんでした
から、

とにかく、
何かを憎まずにはいられませんでした。

「いたい…いたい…いたい…いたい…」

誰もいない病室には、私の声が
むなしく響くばかりでした。

実は静脈麻酔でも局所麻酔でも、「流産手術で麻酔が効かない」というのはあるあるなのです。
その実態を下記のブログで書きました。
ぜひ興味があればご一読下さい。

手術直後

それからそのまま10分ほどは、
あまりの痛さに悶絶しておりましたが、

少しずつ痛みがマシに
なってきていることに気づき、

また、吐き気についても、吐き気止めの点滴を
追加してもらったからなのか、

徐々に収まりはじめ、

あぁ…疲れた…

と、気づけばそのまま
引きずり込まれるように眠ってしまいました。

もしかしたら麻酔の影響もあったのかもしれません。

その間、何度か助産師さんが様子を
見に来てくれましたが、

結局1時間、眠りこけていました。

それからふと、

「点滴が終わったので外しますね~」

と助産師さんがいらっしゃった声で

目覚めた時にはもう、
何ひとつ、痛みを感じませんでした。

「大丈夫?」

と聞かれたので、

はい、もう、全く痛くありません…!

と答えると、

「へえ…!もしかして、普段から
生理痛けっこうきつい?」

と助産師さん。

そうですね、重たいですね、と答えると、

「あぁ、だから痛くないのかもね。
慣れてるんだ、子宮収縮の痛みに」

と言われました。

多くの方は、まだ大抵、手術直後のこの時点では
子宮収縮の痛みが伴うようです。

ですがとりあえず私の場合はたった1時間で
あれほどひどかった腹痛、
めまいや吐き気等は一切なくなり、

すっかり元気になりました。

(これだけすぐ元気になったのは、
ちょっとマレなケースだと思います)

早く復活できたのは、

やはり全身麻酔ではなく、
局所麻酔だったからでしょうね…

もう絶対に嫌ですが…(苦笑)

そんな感じで、元気になったので、もう早く
帰りたくてしょうがなかったのですが、

「4時まではおってね」

ということで、再び待機。

読書再開。

手術当日は、かなり待機時間が長かったので、
分厚い本を持ってきていて良かったです。

それから待つこと2時間。

トイレへ行き、おしっこが出るか確認し、
更にタンポンを抜いて血の量をチェックしてもらいました。

どちらも異常が無かった為、
帰っていいとのご指示を頂きました。

最後に、今日一日私の
面倒を見てくれた助産師さんが、

「今日のことは、つらかったやろ。

でも、次の子を迎えるための
ステップやったって思ってね。

でも、お腹におった子のことは、
絶対に忘れたらアカンよ」

「また待ってるからね」

と笑顔で見送ってくださった時には、
さすがにうるっとしてしまいました。

ここの産婦人科の助産師さんは
本当に皆さん優しかった…

(もう行かないけれど…)

ちなみに、流産手術の合計は20,800円でした。

ネットでみた方と比べると、
少し安かったのかな?と思います。

駐車場で迎えにきてくれた夫と再開のハグ。

夫の存在は、
疲れた身体と心にじんわりと沁み、

痛みと悲しみで硬直した身体を
緩ませてくれたのでした。

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